オーレーザー

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加工事例

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Processing example

加工素材と加工データの位置合わせについてアドバイスします

今回の加工事例は、位置合わせについてのコツをいくつか紹介しようと思います。

過去記事の中にも度々掲載していたので、位置合わせについてのお問い合わせがあった際は、ご要望に合った記事を都度探してご紹介していたのですが、1つの記事にまとめた方が社内でも解りやすいので、改めて作ってみました。

位置合わせについてのモヤモヤは、この記事を参考にしていただければと思います。

もくじ

HAJIME に電源を投入し起動すると、レーザーヘッドがワークテーブルの左上奥に移動していき、毎回必ず同じ位置に原点復帰します。

ソフトウエア上では、作成したデータのドキュメントボード(アートボード)の左上角を原点としています。読み込んだデータをドラッグして動かすと、ドキュメントボードの左上角を基準にレーザーヘッドが追従する仕様となっています。

既製品にレーザー加工したい

例えば加工したい素材が、既製品でサイズが決まったものであれば、その輪郭を切り抜いた型紙を作成することで、簡単にデータの位置合わせをすることが出来ます。

データ作成

先日、PC復旧の為に購入した M.2 SSD の外付けケースに彫刻加工してみようと思います。素材はアルマイト処理されたアルミです。

まずは外形の寸法を測り、その輪郭線をカットラインとして赤線で作成しました。

外形の輪郭線の中に、彫刻用の黒の塗りつぶしデータを配置します。レイヤーは、輪郭線のカットラインと彫刻用のデザインデータでグループ分けしておくと良いでしょう。

位置合わせ

加工データが出来たら輪郭線のグループだけを選択して、HARUKA に転送しておきます。

次に、型紙用の紙をハニカムテーブルにセットします。動かないようにマスキングテープを使って固定してください。紙はコピー用紙などで十分です。

では、セットしたコピー用紙をカットしましょう。フォーカスを合わせてカットします。

輪郭線のカットが出来たら、その穴の開いた場所に、先ほどの SSDケースを置くと言うわけです。ぴったりと合うはずです。

加工開始

位置合わせが出来たら、彫刻用データのグループのみを選択して HARUKA へ転送します。

データの準備が出来ました。フォーカスを、加工素材に合わせ直してスタートです。

順調に加工出来ています。

狙った位置に加工が出来ました。ハニカムテーブルを着脱してしまうと、位置が狂ってしまうので注意してくださいね。

加工したい既製品のサイズが大きい場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。

毎回素材の角ぴったりに原点を合わせたい

コピー機にコピー元の紙を、位置合わせして置くように、毎回原点に素材の角を置きたい場合は、あらかじめ原点が解るような治具を作っておくと便利です。

(写真は弊社で使用している、キャノンの複合機です。)

HAJIME を起動し、原点復帰した時に照射するガイドレーザー(レーザーポインター)の位置を、ハニカムテーブル上にマーキングしておく方法もありますが、着脱式のテーブルを採用しているため、テーブルには上下左右クリアランスがあります。

着脱してテーブルの位置が動いてしまうと、マーキングした原点位置もズレてしまいます。

毎回使えるように、HAJIME のフレームを基準にして合わせる事が出来る、指金の様な治具を用意しておくと良いでしょう。

治具の作成

素材は 3mm厚の白色アクリル板(キャスト)を用意します。サイズは大き目に作った方が、精度も出て使い勝手が良いと思うので、280mm x 330mm の四角を目安にデータを作成しました。

加工は2回に分けて行うので、レイヤーも解りやすいよう、2つに分けておきました。
加工1回目のレイヤーを HARUKA に転送します。

それでは加工していきましょう。

加工1回目

彫刻加工もするので、汚れ防止のため表面の保護シートはそのまま残しておきます。裏面は発火する恐れがあるので剥がしてくださいね。

フォーカスを合わせたら加工スタートです。

無事、1回目の加工が終わりました。

1回目の加工が終わったら、左側の1辺に細長い壁面パーツを組み立て、接着しておきます。アクリル用の接着剤は、Amazon で購入しました。

見栄えも大事なので、彫刻箇所にはにスミ入れもしておきます。ちなみに、アクリル彫刻のスミ入れについては、こちらの記事を参考にしてみてください。

壁面パーツを組み立てたアクリルは、再度切断加工を行います。

HAJIME 本体の左アルミフレームと、上の冷却装置のケースにぴったりくっ付けてください。念のため、動かないようにマスキングテープで固定しましょう。

加工2回目

それでは、加工2回目のレイヤーを HARUKA に転送します。フォーカスを合わせ直して、加工再スタートです。

加工エリアの左部境界線と上部境界線を直角にカットして完成です。

素材を置く前に、この指金治具を使って素材の角を合わせると、原点復帰位置にぴったり合わせる事が出来ます。

また裏面に、H7mm の足を付けることにより、オプションのオフセットピンテーブルを使用した際にも原点合わせが出来るようになっています。

原点合わせの後、実際に加工する際は、治具を取り外し加工してください。

原点に素材の角をぴったり合わせないと気分が悪いという方は一定数いらっしゃると思うので、几帳面な方は試してみてくださいね。

今回はアクリル板を使用しましたが、MDF板でも作れると思うので気軽にチャレンジしてみてください。こちらから、指金治具の加工データがダウンロードできます。

印刷したトンボ(トリムマーク)に原点を合わせたい

先ほど作った指金治具を使えば、印刷したトンボに原点を合わせることもできます。
実際に原点を合わせる際は、トンボだと視認性が悪いので、可能であれば、断ち切り線が解るようにパスを追加して印刷したほうが良いかもしれません。

そして、HAJIME で使う加工データは、加工エリアとなるドキュメントボード(アートボード)の大きさを、断ち切り線に合わせます。

データ作成

今回は、先ほどアルマイト彫刻した M.2 SSD BOX を自社商品と想定し、化粧箱の展開図をサンプルとしてみました。作成したデータは、印刷データのレイヤーと、切断データのレイヤー、断ち切り線が入ったレイヤーと、3つに分けておきます。

まずは印刷データをプリントします。切断データのレイヤーは、目玉アイコンをクリックして目隠ししておきます。もちろん、断ち切り線(トンボ)をプリントするのも忘れずに。

印刷が終わったら、断ち切り線のレイヤーだけを選択して、上部メニューの「オブジェクト」から、「アートボード」>「選択オブジェクトに合わせる」をクリックします。すると、断ち切り線に合ったアートボードサイズとなり、HAJIME 用の加工データとなります。

データの準備が整いました。切断データのレイヤーだけ選択して HARUKA に転送しておきます。

位置合わせ

先ほど作った指金治具を使い、印刷した化粧箱の断ち切り線左上角を原点に合わせます。

位置が決まったら、マスキングテープで紙を固定して、治具を外します。

加工開始

それでは、加工スタートです。

ズレも無くうまく切れましたね。

折って組み立てれば完成です。

いかがだったでしょうか。

物理原点の無い HAJIME ですが、工夫をすれば案外簡単に位置合わせができるんですよ。

HAJIME のヘビーユーザーの方は、もっと画期的なノウハウのオリジナル治具をお持ちかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

それでは次回もお楽しみに!

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