加工事例
Processing example
- 2021-12-13
MORTAR(モータル)別注の限定シューズをレーザー加工
皆さん、東京オリンピックはご覧になりましたか?
コロナ過という事もあり、色々物議をかもした異例のオリンピックでしたが、開催地が日本だった事も追い風となったのか、日本人選手のメダルラッシュが凄まじい大会となりました。
特にスケボーのメダリスト達の若さには驚いてしまいます。きっとこれからも、まだまだ現役で大活躍してくれる事でしょうね。
これからの盛り上がりが楽しみなスケボー業界ですが、そんなスケーターに特化したストリートカルチャーの最先端を発信する「MORTAR TOKYO」さんから、先日とあるご相談をいただきました。
MORTAR TOKYO から別注の限定シューズを発売するにあたり、その限定シューズに MORTAR のロゴマークをレーザーで彫刻したいとのご依頼です。
弊社では以前、クラークスさんのポップアップストアで、ワラビーをレーザー加工した事があるのですが、その記事をご覧いただいたようです。今回の限定シューズも、クラークスさんのワラビーを使用するらしく、クラークスさんからも弊社をお勧めいただいたとの事。
通常弊社では、レーザー加工の請負は承っていないのですが、HAJIME のプロモーションも合わせて考えていただけると大変有難いご提案もいただき、協力させていただく運びとなりました。
もくじ
Clarks Wallabee をレーザー加工
前回ワラビーに加工した際は、ブーツタイプで比較的平面を出しやすい足先と側面への加工でした。
今回はノーマルのワラビーを使い、足の甲にあたる所に加工したいとのご要望。ちょうど曲面になっている所なので、綺麗に加工出来るか少し不安です。
治具の作成
そこで以前、「レーザー加工機でシンデレラフィットの工具入れを作ろう」の時に使った 10mmの発泡硬質ポリエチレンフォームで、甲の部分に収まる治具を作り、平面を作る事にしました。
お預かりした MORTAR のロゴは、位置合わせ用にサイズ違いの型紙を数枚作っておきます。
治具の準備が出来ました。
スポンジを重ねてワラビーに詰め、靴底から廻した紐できつく縛ります。
HAJIME の様なプロッタータイプのレーザー加工機は、レーザースポットのフォーカスがボケないように、出来る限り加工面を平らにするのが、綺麗に加工するコツです。
ロゴの位置合わせ
それでは、甲を平らにしたワラビーを加工テーブルにセットしましょう。
HAJIME はハニカムテーブルを外すと 130mmの高さの物まで加工出来ます。今回はホームセンターで買ったツーバイの端材を何枚か靴の下に置き、高さを調整しました。
レーザーヘッドを彫刻面の前後左右に動かし、平均的にフォーカスが合う位置を探ります。
大体フォーカスが合ったら、事前にマスキングテープで水平を出した位置に型紙を置き、甲の中央にロゴが来るように位置決めをします。
そして、型紙の端にレーザーポインターを合わせ、レーザーヘッドを右、左と動かします。すると、ロゴが斜めの場合は、型紙の端からレーザーポインターが外れるので水平度がすぐ解ります。
ちなみに通常は、電源が ON の状態だとレーザーヘッドにロックが掛かっていて手動で動かせないのですが、本体の電源ボタンを3回クリックすることで、ロックが解除し自由に動かせるようになります。
靴の下に薄いスペーサーを入れたり外したり、傾斜が出ないように納得がいくまで繰り返しフォーカスと位置合わせの調整をします。ここの調整が一番仕上がりに影響するので妥協はできません。
レーザー加工開始
ようやくフォーカスと位置合わせの調整が終わりました。早速加工開始といきましょう。
型紙の左上角ピッタリにレーザーポインターを合わせたら、型紙を外しアクセスパネルを閉じます。(アクセスパネルを閉じると再度レーザーヘッドにロックが掛かります。)
今回の加工パラメータは、パワー30%(12W)、スピード30cm/s、3スキップ(250dpi)です。それでは、HARUKA の加工開始ボタンをクリック。
どうやら問題無さそうですね、順調に進んでいます。
いかがでしょうか。うむうむ、納得の仕上がりです。
ナンバリングタグをレーザー加工
この別注のワラビー、100足の限定販売です。せっかくの数量限定なので、エディションナンバーを刻印したフォブ(タグ)も付属する事になりました。
位置合わせ
この三角タグのサイズは、大体5cm角ほど。テーブル一面に並べたら、一気に加工できそうです。A3サイズの紙にあらかじめ両面テープを貼って、タグの輪郭を刻印します。
そして、刻印した線にピッタリ合わせてタグを貼っていきます。一度に35枚加工出来るので、3回の加工で終わりそうです。
レーザー加工開始
それでは、フォーカスを合わせて加工スタート。
我ながら綺麗に加工出来たと思います。位置決めもバッチリ。
それでは、すべての加工が終わりましたので、梱包してモータルさんに出荷します。
プロモーション動画の撮影
一方モータルさんでは、別注ワラビーのローンチに合わせ、プロモーション動画を発売前にリリースする事になりました。
先日川越の弊社まで、わざわざご足労いただき、HAJIME がワラビーにレーザー加工している様子をカメラマンの KEN MIYAJIMA さんに収めていただきました。
照明抑えめでクールな感じを演出中。
実は雑多な弊社作業部屋ですが、プロのテクニックによりオシャレでカッコイイ動画になりました。完成した動画は、クラークスさんのインスタで公開されています。
発売記念イベント
このカスタムモデルのワラビーは、2021年12月10日(金)に MORTAR TOKYO オンラインストアで先行発売されており、実店舗では、12月12日(日)に発売記念イベントと共に販売スタートです。
- プレスリリース
イベント当日は、店舗に HAJIME を持ち込み、お客様の前でレーザー加工ライブを披露。CO2レーザーでの加工は、素材から火花が出て割と派手なので、多くの方にご興味を持っていただけました。
このようなお客様が集まるイベントでも、HAJIME は「レーザクラス1」に準拠した安全なレーザー加工機なので、加工している様子を保護メガネ無しでご覧いただいてもまったく問題ございません。
集じん機 MIRUKU も持ち込んだので、加工中の不快なきな臭さも無く、オシャレでハイセンスな店舗の雰囲気を損ないませんでした。渋谷で異臭騒ぎを起こしたら大変ですから。
実は個人的に若かりし頃、スケボーに熱中していた青春時代がありました。大人になって今回このようなコラボレーションができ、なんだか感慨深いものがあります。また次回、別の商品でもコラボレーション出来たら嬉しいです。この度は誠に有難うございました。
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