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- 2021-06-15
せっかく作ったデータが転送できない? レーザー加工機のデータ修正方法
こんにちは。
いよいよ2021年も年の瀬です。今年もユーザーの皆様には大変お世話になりました。
おかげ様でオーレーザー株式会社も10周年を無事迎えることができ、皆様のお力添えあってこそと再認識した1年でした。
本当にありがとうございました。
今回のブログでは今年1年を振り返り、HAJIME で加工をしていきます。
2021年のイベントといえば、「コロナウイルス」と「東京2020オリンピック・パラリンピック」に尽きるでしょう。
その2点の共通点といえば・・・「ブルーインパルス」
大空に「夢・感動」を描くアクロバットチーム 「ブルーインパルス」
航空自衛隊の存在を多くの人々に知ってもらうために、航空自衛隊の航空祭や国民的な大きな行事などで、華麗なアクロバット飛行を披露する専門のチーム。最近テレビでも自衛隊の特集が組まれることが多くなり、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
今年は、5月29日にコロナと戦うエッセンシャルワーカーへの感謝の飛行。7月23日に東京オリンピック開会式。その後8月24日には東京パラリンピック開会式でアクロバット飛行を披露しました。
【航空自衛隊 HP】 https://www.mod.go.jp/asdf/pr_report/blueimpulse/
余談ですが、私の住む埼玉県入間市には航空自衛隊入間基地があり、毎年11月に入間航空祭が開催されます。ブルーインパルスを一目見ようと県外から多くの人が集まり、ショッピングモールの立体駐車場や小高い丘、更には道路の歩道橋までもが見物の場所取りでごった返し、演技が始まると全員が空を見上げるという異様な雰囲気となります。(去年、今年はコロナの影響で中止でした。)
ちょうど切り絵のサンプルをご希望される検討者様もおり、今回は「ブルーインパルスの切り絵」を作成することにします。皆様しばしお付き合いください。
切り絵データの作成
では、データの作成に移ります。画像については航空自衛隊の HP 内の無償の画像を使用させていただきました。
【航空自衛隊 壁紙】 https://www.mod.go.jp/asdf/special/download/wallpaper/index.html
6機のブルーインパルスが一糸乱れぬ編隊を組むこの写真に決めました。
Adobe Illustrator を使用して、画像を編集していきます。
※注意※
筆者は Adobe Illustrator 初心者です。多々ご意見あるかと思いますが、暖かく見守っていただけますと幸いです。
画像のパス化「画像トレース」
まずは画像をパス化する作業です。
「白黒のロゴ」にトレースしパス化する為「拡張」します。
パスにしたデータの「グループを解除」し不要なデータを削除していきます。
塗りを無くし、アウトラインを赤線(カットライン)に修正します。このデータで名刺サイズの切り絵サンプルを作成します。
※上記は完成イメージの為、白で塗りつぶしています。
HARUKAに転送・・・出来ない。
さぁ、いよいよ加工です。HARUKAにデータを転送します。
データが読み込まれず、プログレスバーが止まってしまいました。この症状が出る際にはいくつか原因が考えられます。
アンカーポイントを減らす
画像トレースしたデータのままですと、アンカーポイントが非常に多くなる傾向もあり、その分データ容量も大きくなりデータ転送ができない等の不具合の原因となります。ネットで「イラレ アンカーポイント 減らす」等で検索すると多くの記事が出てきます。
特にアウトラインを加工するレーザー加工機、カッティングプロッタ関連の記事が目につきました。どのメーカーもパス数が多いとデータ転送のトラブルになる為、ユーザーにアナウンスしている様子がうかがえます。
今回は、一番簡単そうなパスの「単純化」をしてアンカーポイントを減らしてみます。
アンカーポイントを減らしたいオブジェクトを選択し、「オブジェクト」→「パス」→「単純化」を選択します。(オブジェクトを選択し右クリック、「単純化」でも同様です。)
単純化の仕組みについてはAdobeの公式ページがありますので、ご参考になさってください。
【Adobe公式:パスの単純化】
https://helpx.adobe.com/jp/illustrator/using/simplify_paths.html
やりすぎると戦闘機が鳥のようになってしまいます。なので、ほどほどに全体を単純化していきます。
もともと1225点あったアンカーポイントを、約半分の619点に減らすことができました。データ的にもさほど違いは無さそうです。
パスの捩じれ、重複
「画像トレース」や「パスファインダー」をかけた際にパスが重なったり、捩じれたりする事があります。HARUKA独自の「切断順番最適化」をONにした場合、読み込みができません。
今回も似たようなパスの重なりや重複が8か所もありました。
ちなみに「切断順番最適化」をOFFにすると、3秒程で読み込みが完了しますが、下位レイヤー(描写順)から順番に加工していくので、通常よりも加工時間がかかったり、後で加工したいデータが先に加工されたりと、レイヤーの順番をコントロールする必要があります。詳細は下記加工事例をご参考になさってください。
【マニュアルカットソートでエッフェル塔の模型を作りました】
https://www.oh-laser.com/application/la-tour-eiffel
データ完成→加工
出来ました!
「単純化前」はHARUKAの読み込み時間が約38秒、「単純化後」は約10秒とアンカーポイント数を約半分にした結果、読み込み時間が改善されました。
仕上がりも細部まで表現できているようです。早速サンプルをご検討者様へ送りましょう。
データに応じて「切断順番最適化」を活用
HARUKA には独自の「切断順番最適化」が搭載され、切断の順番指定時にユーザーの面倒な作業を省力化しています。しかし、「加工面積の大きいデータ」や「アンカーポイントの多いデータ」等はその機能が仇となり、読み込み時間が非常にかかる可能性があり、機能をOFFにすることが良いケースも多々あります。
完成を想像しワクワクしながら作成したデータが “いよいよ加工” というときに転送できなかったら、相当フラストレーションがたまりますよね。
ゼロからデータを作成する場合には気を付けることができますが、データ作成には便利な機能が、レーザー加工機をはじめとするベクターデータの出力機にとっては仇となるケースが多々あります。
最後に
オーレーザーには日頃から同様のトラブル、データのチェックのご相談を多々頂きます。初めて使うレーザー加工機を「面倒なもの」にしない為、一生懸命サポートさせていただきますのでお気軽にお声掛けください。
今年も1年本当にお世話になりました。来年も皆様のレーザー加工を加速させるべく情報発信を行って参ります。来年も、変わらぬご愛顧を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。
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