オーレーザー

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加工事例

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Processing example

マニュアルカットソートでエッフェル塔の模型を作りました

今年のお盆休みはコロナの影響で遠出できず、暇を持て余した方も多かったのではないでしょうか。

オンライン帰省という今どきの手段もありましたが、私の実家は高齢でインターネットに疎く、今年は電話でお互いの安否報告を済ませるのみとなりました。

ですが、友人との飲み会はしっかりオンラインで行いましたよ。思いっきり飲んでも、すぐに寝れる安心感があるのでオンライン飲み会は良い手段だなと思います。

フランスパンとワインを飲みすぎた時は、オンライン飲み会だったので助かりました。ワインは危険ですね。

ところでフランスといえば、エッフェル塔や凱旋門が有名ですが、HAJIME を使えばエッフェル塔の模型なんかも簡単に作れます。

ちょうど、エッフェル塔の加工データがあったので、新しい HARUKA(V0.95.7~)に実装した、マニュアルでのカットソートのやり方と共に紹介したいと思います。

もくじ

使用した材料MDF 2.5mm 厚
仕上がりサイズ150 x 150 x 500mm
レーザー加工時間切断加工:約90分

切断順番について

HARUKA に標準搭載している切断順番最適化は、加工データを読み込んだ際に、ユーザーが特に気にすることなくカットする順番を HARUKA が自動解析して実行する非常に便利な機能です。

例えば、丸の中に丸があるデータ(二重丸など)をカットする場合、外側の丸を先にカットしてしまうと、中の丸をカットする時に問題が生じてしまう場合があります。

先に外側をカットしてしまい、失敗してしまった加工例

HARUKA は切断する順番をデータ読み込み時に自動で解析するので、上記のような失敗が起こりません。レーザー加工機は、単にレーザーを照射して切れれば良いというわけではなく、制御するソフトの使い勝手がとても重要だったりします。

写真の様な単純構造のデータなら、マニュアルで指定しても問題ないかと思いますが、今回のエッフェル塔模型のような細かい穴が沢山あるような加工データだと、ソフトが自動で解析してくれた方が圧倒的に楽ですよね。

HARUKA は切断する順番を特に意識せずにデータ作成しても、自動で最適なカットソートを行うので、レーザー加工機が初心者の方でもすぐに使いこなせるフレンドリーな設計になっています。

加工データの作成

HARUKA が自動で解析する切断順番は、すべてのオープンパス(繋がっていないパス)を最初にカットし、一番外側になるクローズパス(繋がっているパス)を後回しにするという基本的なアルゴリズムがあり、データによってはアルゴリズムに忠実なゆえ無駄な空走距離が発生してしまう場合もあります。

最新の HARUKA は、切断順番最適化を OFF にしてデータを読み込むと、イラストレーターのレイヤーの積層順(下から上)にカットすることができるようになったので、ユーザー側でもすべてのカット順をマニュアルで指定することができるようになりました。

このマニュアルカットソート機能は、無駄な動きをなくしたいというヘビーユーザーのご要望を採用させていただいた機能です。

パスを切断したい順にレイヤーの下から重ねていきます。

HAJIME の原点となるデータの左上から、右下に向かってスムーズにカットしていくイメージでレイヤーを積層していきます。

複数のパスを「複合パス」でまとめた場合は、順序が逆になるのでご注意ください。

また、今回のようにドキュメント一面が真っ赤になるくらいの複雑なカットデータの場合、切断順番の解析(データの読み込み)に時間がかかってしまい、ストレスが溜まっていたユーザーもいらっしゃったと思います。(読み込み時間はPCのスペックに依存します。)

HARUKA のデータ読み込み時間は、ほぼ切断順番を解析する時間なので、OFF にすることで読み込み時間も大幅に早くすることができます。データの読み込み時間を短縮したいユーザーも、ぜひ今回のマニュアルカットソートを参考にしてみてください。

切断順番最適化が ON の場合、読み込みに「12分」かかりましたが、OFF だと「7秒」で完了しました。

データ完成後に、改めてカット順を考えレイヤーの順番を整理するとなると、猛烈に心が折れそうですが、データ作成直後から切断順番も考慮しながら作れば苦にならないと思います。

レーザー加工開始

データが出来たので、早速加工していきましょう。素材は MDF の 2.5厚を使用します。

MDF 板は微妙に湾曲している場合が多いので、事前に何回かしならせて湾曲グセを取ってあげます。また、素材の広範囲をカットする場合についても、加工している途中に熱で湾曲してくるので、マスキングテープで端をテーブルに固定しておきます。

それではフォーカスを合わせ、加工スタートします。レイヤーで指定した通りにカットするか見てみましょう。

無事レイヤーの積層順にカットできています。時間をかけて、レイヤーを整理した甲斐がありました。無駄がないレーザーヘッドの動きです。

マニュアルで指定した通りの順序で、すべての切断が完了しました。

各部品を取り出し、不要な切りくずを掃除したら組み立てましょう。
マスキングテープを使い仮組みをして、木工用ボンドで接着していきます。

ここまでくればあと一息。組み立ては難しくありません。

エッフェル塔模型完成

ボンドが乾いたら、マスキングテープをはがして完成です。

la-tour-eiffel_18

イラストレーターの扱いに長けているユーザーの中には、切断順番を手動で指定し極力無駄な動きをなくしたいという猛者もいらっしゃると思うので、気になる方は一度お試しいただければと思います。

ハニカムテーブルのメンテナンス

CO2 レーザー加工機は、素材を燃焼させ加工を行うため、使用後は必ず粉じんや気化ガスの汚れをクリーニングする必要があります。

反射ミラーやフォーカスレンズ、X・Yレール、フィルターのクリーニングについては、取扱説明書に詳しく記載しているので周知いただいておりますが、ハニカムテーブルに付いたヤニ汚れのクリーニングについて、最後に紹介したいと思います。

今回の模型で使った MDF や、ベニヤ板など木材系の素材を頻繁に加工すると、ハニカムテーブルに茶色いヤニ汚れが多く付着します。このヤニ汚れはアルカリ系の住宅用洗剤(マジックリンなど)を使用すると綺麗に落ちます。

ハニカムテーブルのフレームにある8カ所のビス(トルクス T6)を外し、ハニカムメッシュを取り出して掃除します。ハニカムメッシュの端は鋭いので怪我をしないように注意してください。

そういえばメッシュ部分に MDF板の角をぶつけてしまい、ヘコんだ箇所がありました。

メッシュを戻し、ビス止めしてメンテナンス終了です。綺麗になりましたね。
では、次の加工事例をお楽しみに!

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