加工事例
Processing example
- 2021-02-18
HAJIME のクリーニングやメンテナンスについてまとめました
CO2レーザー加工機は遠赤外領域のレーザービームを照射し、素材を燃焼(昇華)させる事で彫刻や切断加工を行います。

そのため、素材を燃やしたのと同様に、炭化に伴うヤニや粉じん、油汚れが機内に多く付着してしまいます。
汚れが付着したまま放置して使用を続けると、汚損故障の原因となるので、適切なユーザーメンテナンス、クリーニングを行う事が求められます。
特に、レーザービームを素材まで誘導または集光するために使われている光学部品は、高価な部品を使用しているので、汚れによる破損は余計な出費となるので注意が必要です。
今回紹介する HAJIME のメンテナンスについては、CO2レーザー加工機全般に当てはまると思いますので、是非レーザー加工機導入前の参考にしてみてください。
もくじ
炭化汚れについて
一般的に、タバコのヤニ汚れやお鍋の焦げ付きなど、代表的な炭化による汚れは、アルカリ性の洗剤や重曹などを使うと良く落ちる事が知られていますよね。
CO2レーザー加工機の汚れも、素材が炭化した事による汚れなので、同様のことが言えます。
光学部品を除く加工機の汚れは、アルカリ性洗剤を使用すると効果的です。
当社では、住宅用洗剤のマジックリンをキムワイプに含ませて良く使用しています。

X軸レールのクリーニング

X軸レールに汚れが付着したまま加工を続けると、加工後の仕上がり精度が悪くなってしまいます。

同様に、レーザーヘッドについている白いガイドホイールも綺麗にしてあげてください。

レールの下側も忘れずにクリーニングしましょう。
Y軸レールのクリーニング

Y軸レールの丸いシャフトにも、ヤニ汚れが付着します。
特に左側が汚れやすいので、念入りに掃除します。終わったら潤滑オイルを塗布しておきましょう。
フレームのクリーニング

加工ユニットのフレーム部や底板にはマジックリンを直接噴霧します。
タイミングベルトに付着しないよう注意してください。

ヤニ汚れを放置すると腐食の原因にもなるので、こまめにクリーニングを行ってください。
終わったら、固く絞った濡れぞうきんで洗剤を拭き取り、良く乾かしましょう。
ヒートシンクフィルターのクリーニング
HAJIME CL1 PLUS の自動冷却システムには、ヒートシンクフィルターを装備しています。

フィルターが汚れ目詰まりを起こし、風の通りが悪くなると、冷却水の温度が上昇してレーザーパワー減退の原因になります。
また、冷却水の温度が45℃を超えると、安全装置が作動し加工が出来なくなります。
目詰まりしないよう、こまめにクリーニングを行ってください。
ヒートシンクフィルターは、金属とポリエステルの2層構造になっており、ともに水洗いが可能です。マジックリンでしばらく漬け置きして、汚れを洗い流します。

ポリエステル製の白いフィルターは、2回~3回水洗いを繰り返すと瘦せてしまうので、適時新品に交換してください。
ハニカムテーブルのクリーニング
ハニカムテーブルのクリーニングは、フレームにある8カ所のT6ビスを外し、メッシュ部分を取り出して行います。

まずは、中に落ちているゴミを掃除機で清掃しましょう。

次は全体にマジックリンを噴霧して水洗いします。ヤニ汚れが酷いときは、漬け置きすると効果的です。
作業中は、メッシュの端が鋭いので怪我をしないように注意しながら行ってください。
ZnSe(セレン化亜鉛)について

CO2レーザー加工機のフォーカスレンズに使用される、ZnSe(セレン化亜鉛)という化学物質は、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に基づく危険有害性物質に指定されています。取り扱いには注意が必要ですが、ガラス状態かつ表面がコーティングされているので「毒物及び劇物取締法」の規制には抵触しません。
第一条18(ニ)ゲルマニウム、セレン及び砒素から成るガラス状態の物質並びにこれを含有する製剤は除く
しかし、廃棄については毒劇法に準ずる事が求められています。
また、セレン化合物は混触危険物質として、「強酸化性物質、強塩基等」が指定されるので、念のためクリーニングの際は、アルカリ性洗剤の使用は避けた方が無難でしょう。
フォーカスレンズや反射ミラーのクリーニングには、無水アルコールや無水エタノール等の光学部品用クリーナーを使用してください。当社では、イソプレピルアルコール(99.9%)を含ませた、マイクロファイバークロスや工業用綿棒を使用しています。
フォーカスレンズのクリーニング

フォーカスレンズはレーザーヘッドから取り外し、光学部品クリーナーを含ませたマイクロファイバークロスで両面をやさ~しく拭きます。特にレンズの裏側が汚れやすいので、加工後は必ずクリーニングしたほうが良いでしょう。
反射ミラーのクリーニング

第1反射ミラーは左前方の丸い穴の奥にあるので、光学部品クリーナーを含ませた工業用綿棒などを使い、やさ~しく拭いてください。


第2反射ミラーと第3反射ミラーも、光学部品クリーナーを含ませたマイクロファイバークロスでやさ~しく撫でるように拭きます。
フォーカスレンズおよび反射ミラーが汚れたまま加工を続けると、付着した汚れが熱変換され、表面のコーティングがダメージを受け破損してしまいます。この特殊なコーティングは、レーザービームの反射率や透過率に大きく関わっているので、加工品質とレーザーパワーを保つためにも加工後のクリーニングは必須となります。
ちなみに、無水アルコールや無水エタノールなどの光学部品クリーナーは、揮発性が高く塗膜を侵す恐れがあるので、HAJIME のパールホワイトの外装ボディーや底部の清掃は避けてくださいね。
HAJIME はユーザーメンテナンスが必要な精密機械です
CO2レーザー加工機は汚損の多い工作機械です。加工後には適切なクリーニングやメンテナンスを行う事で、汚損故障のリスクを抑え、加工品質を維持する事が出来ます。

HAJIME の運用には、ユーザー自身によるメンテナンスが必要となる精密機械であることを、事前にご理解いただけますと幸いです。
メンテナンス以外にもご不明点などが御座いましたら、お気軽にお問い合わせくださいね。
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