加工事例
Processing example
- 2015-09-01
レーザーマーキング剤セルデックでステンレスの加工に挑戦
よく「金属にレーザー加工はできますか?」と、お問い合わせをいただきます。
残念ながら、40W の出力である弊社の HAJIME レーザー加工機では、金属へ直接加工するまでのパワーを持っていないため、加工は不可となります。
しかし、以下のように皮膜処理を施された金属に対しては、加工は可能となります。
- 塗装されているもの(塗膜剥離)
- アルマイト処理がされているもの(アルマイト剥離)
- レーザー加工用のマーキング剤が塗布されているもの
2.に関しては、過去の記事「アルマイト製品にレーザー彫刻してみました」で掲載済みですので、今回は 3.のマーキング剤を塗布した金属に対しての加工工程をご覧いただきます。
もくじ
加工レシピ
使用した材料 | ステンレス製無地看板 Amazon – nc-smile ステンレス箱型看板W450 |
レーザーマーキング剤セルデック レーザーマーキング剤セルデック – レーザースタイル |
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仕上がりサイズ | 450 x 120mm |
レーザー加工時間 | 約2時間 |
加工手順
デザインデータの準備
Adobe Illustrator にて、購入した看板のサイズにアートボードを設定し、弊社「Oh-Laser」のロゴと社名を配置します。
加工素材の準備
購入したステンレス看板に、セルデックを塗布します。
最初アルコールを1:1より多めに希釈しハケで塗りましたが、ムラが出ないように塗るのは大変難しく、気を付けていてもムラができてしまいます。また乾かすと更にムラの厚い部分が盛り上がってしまいました。
作業面が凹凸になっていると加工に適さないため、結局ハケ塗りは断念する羽目に。
水で軽くこすると塗料は簡単に落ちました。
あとで聞いたところによると、固まった塗料を剥ぎ落とし、再びアルコールで希釈すると再利用できるようです。高い製品なので無駄になったのが悔やまれます。
気を取り直して、今度はスプレーで塗料を塗ることにします。
下記のエアーガンを購入しました。
アルコールで薄めたセルデックを2度塗りします。
スプレーなので均一に塗布でき、期待通りの仕上がりとなりました。
レーザー加工の準備
Adobe Illustrator で作成したデータを HARUKA へ転送します。
次に、コピー用紙を2枚横に並べ、看板が収まるようにハニカムテーブル上にのせ、マスキングテープで留めます。
そして「加工エリア切断」をクリックし、予め看板サイズに用紙のみカットしておきます。
看板の外形サイズにカットする
くり抜いた部分に看板をのせるとデータとぴったり位置が合います。位置合わせにはこういった方法もありますので、ご参考にしてください。
レーザーヘッドと看板のフォーカスを合わせたら、ガイドのレーザーポインターを看板のちょうど左上に合わせておきます。
位置合わせ完了
レーザー加工開始
HARUKA のパラメータを「ステンレス マーキング剤」に選択したら加工スタート。
加工終了直後
約2時間かかりましたが、位置もぴったりで満足のいく出来栄えとなりました。
セルデックを洗い流します。
セルデックの洗い流し
強く擦らなくても簡単に落ちます。
完成
レーザー加工機の可能性を探求
マーキング剤を塗る手間はありますが、通常金属には不向きなCO2レーザー加工機で、ここまで美しく加工ができるということをお見せすることができ、ある意味ご要望にお応えすることができたのではないでしょうか。
できないことを可能にするには、あらゆる角度から物事を見ていかなければなりません。別の材料が必要だったり、特別な治具を用意する場合もあります。全く違う分野の考え方を取り入れることも必要かもしれません。着眼点によって可能性が開かれると言えるでしょう。
レーザー加工機の可能性をさらにご提案するために、今後もさまざまな加工事例をご紹介していきたいと思います。
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