加工事例
Processing example
- 2015-10-19
アクリル系二層板をレーザーで加工します
レーザー加工ではポピュラーな商材である、アクリル系二層板を加工してみました。
二層板というのは、色の違う二つのアクリルが層に重なっていて、彫刻加工を施すと表面とは別の色のアクリルが現れるというものです。
ただ彫刻するだけのレーザー加工ですが、この素材を使用すると、あたかもレーザーで色をつけたような仕上がりになるのが面白いところです。いろいろな配色の二層板が入手できますので、アイデアの幅が広がるでしょう。
また今回は彫刻だけでなく、切断加工でくり抜いたところに、さらに別の色で切断されたアクリルをはめ込んでみました。こうすることによって、よりカラフルな色使いも楽しむことができます。
もくじ
加工レシピ
使用した材料 | アクリル二層板:表地シルバー、下地黒 厚み:1.5mm アクリル二層板:表地黄色、下地黒 厚み:1.5mm カラーアクリル:赤、緑、黄緑、紫、水色、黄 厚み:1.5mm |
仕上がりサイズ | 表札:150 x 207mm 看板:220 x 135mm |
レーザー加工時間 | 表札:約1時間 看板:約45分 |
表札の加工手順
デザインデータの準備
以前、[ ポリエステルの生地をレーザーカットします ] の時にお世話になったデザイナー様に、今回もデザインを考えていただきました。色使いが映えるお洒落な表札です。
素材調達の都合上、原案とはステンドグラスの色の配置が異なっております。
このデザインを元に、下記のルールに沿うよう、Adobe Illustrator でパスを修正します。
加工用データのルール
彫刻加工:塗りつぶし黒(輪郭線ナシ)
切断加工:赤線(プロパティー 線の位置 中央)
黒の塗りつぶし部分は彫刻、また、外枠・窓枠に沿って赤線を入れています。
この後データをすべて選択し、HARUKA へ転送します。
養生について
アクリルの加工にはコツがあります。通常、加工機のハニカムテーブルの上に素材をのせて加工をしますが、アクリルなどの樹脂系の場合、ハニカム柄がレーザー光の反射により素材にキズがついてしまいます。
それを避けるため、以下のようにハニカムテーブルから浮かせる要領で加工しました。
また、加工の際に発生する煙で汚れてしまうのを避けるため、アクリルの表面にマスキングテープを貼っておきます。
加工開始
それでは準備が整ったので、加工していきましょう。HARUKA の加工素材の中に「二層版 1.5mm」のパラメーターがあるので選択して加工スタート。
窓にはめ込んだカラフルなアクリルが、ステンドグラスのような仕上がりに。
この時、アクリルを窓枠の大きさピッタリに切断すると、レーザーの刃幅や熱による溶けのため、若干窓枠よりも小さくなってしまいます。
そのため、アクリルを若干大きめに切断する必要があります。窓枠にはめ込んだら、アクリル専用の接着剤で固定します。
完成
二層板のシルバーと下地の黒、そして切り抜いた窓枠へはめ込む色アクリルがポイントとなり、単調な仕上がりになりがちなレーザー加工にアクセントが加わりました。
窓枠にはめ込む、アクリルのサイズの調整に、想像以上に時間がとられ、最終的に1.0~1.2%程度の拡大率で切り出しました。
また、接着する際にも注意が必要です。アクリル接着剤を付属のスポイトで使用したところ、液だれしてしまい少し汚くなってしまいました。
シリンジのようなもので慎重に塗布した方がいいかも知れません。
看板の加工手順
次は、別のデザインでも加工を行ってみました。
「Cafe」の部分がこすれたようなビンテージっぽい感じになっているのですが、この風合いをうまく再現できるか試してみました。
ネコの表札の時と同じように、Adobe Illustrator で加工ルールに基づいて設定をします。
彫刻を黒の塗りつぶし、外周の線を赤線にして HARUKA へ転送します。HARUKA のパラメーターを「二層版 1.5mm」にして加工スタートです。
完成
デザイナー様が作成されたデータ通りに、文字のかすれたようなビンテージ感を忠実に表現しています。「ネコの表札」のようにアクリルをはめ込むような複雑な工程がないので、簡単に仕上がりました。二層板は彫刻面を後で色付けするような手間がかからず、短時間で完成させることができます。
今回は二層板の魅力を存分に認識することができたので、弊社も今後様々な活用方法を考えてみたいと思います。
弊社の加工事例を参考にしていただき、ユーザー様の自由な発想で作成された作品を、SNSなどで拡散していただけましたら嬉しいです。
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