レーザーで基板はんだマスクの作成

基板マスク完成イメージ

CO2レーザー加工機の用途は、模型や工芸品などの彫刻に利用されることが多く、残念ながら一般的な装置ではありません。
しかし、道具というものは使い方次第で新たな可能性を生むことができ、新たな道具は今まで思いつかなかったこと、作成することが難しかったこと、低コスト化が難しかったことを簡単に実現するかもしれません。

現代の電気製品には基板という板が使用されています。この基板に電子部品をのせ、はんだ付けしたものが完成部品となるわけですが、その際にはんだマスクというステンレス製の板を使用することで、小型化とコストダウン、製造スピードの高速化を実現しています。

量産の場合、はんだマスクは高額な作成費でも十分元がとれるのですが、試作の段階では再設計を考慮すると基本的に無駄なコストであり、中小企業にとっては大きな負担の一つです。色々な対策が考えられますが、今回はレーザー加工機を使用し、現実的で低コストな試作用はんだマスクの提案をします。

弊社レーザー加工機は、ステンレスを加工することはできませんが、それ以外の非金属素材は加工することが出来ます。今回はポリミイドフィルムという高耐熱のフィルム素材を加工しました。

加工概要

加工素材 ポリミイドフィルム 100μm厚
仕上がりサイズ
レーザー加工時間 約5分

加工データの作成

基板設計は、Eagle というソフトを使用しました。基板設計後に半田マスクレイヤーのみを表示して、1000dpi でイメージ出力します。これを画像処理ソフトで(今回は Gimp を使用)黒いマスクエリアを10%程度小さくします。これでデータ作成は終了です。(マスクエリアを小さくするのは開口部を狭くして仕上がり品質を向上させるためです)

デザイン作成イメージ(Eagle)

Eagleイメージ

デザイン作成イメージ(Gimp)

Gimp編集イメージ

後処理等

ポリミイドフィルムは高耐圧、高絶縁性、高耐熱ですが、レーザーで加工すると燃焼し炭化します。炭化した部分を柔らかいブラシ等でこすりながら水で洗い流し完成です。
完成したフィルムを基板の上に重ね、クリームハンダを塗り、部品を載せて簡易リフローにて一気に部品をはんだ付けします。

はんだ付け完了

基板部品実装後イメージ(リフロー直後)

レーザー加工で半田マスク作成1

基板部品実装後イメージ(全部品組立済み)

レーザー加工で半田マスク作成 完成品

基板部品実装後イメージ(細部拡大:TSSOP部品も余裕で実装)

TSSOP部品も余裕で実装

レーザー加工機のメリット

レーザー加工機は、精細な加工ができるため、TSSOP のようなファインピッチマスクの作成にも対応できます。1年間に作成する基板の枚数は会社により色々だと思いますが、高コストパフォーマンスな弊社レーザー加工機を導入すれば、導入コストは十分に償却できます。試作コストと開発コストの低減、また試作の高速化は、商品提供までのスピードアップに直結し、ビジネスを大きく加速します。

量産にはポリミイドフィルムは機械的に耐えることができませんので、最終的な量産には従来のステンレスマスク等は必要です。

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