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ヴィンテージもの、ウォッシャブル加工、デニムにこだわりを持つ人は大勢います。ほかの人とは一味違ったデザインデニムで優越感を味わいたい、そうした思いに少しでもお役に立てるよう、今回はデザイン画をデニムに加工してみました。

実際のところデニムへの加工は非常に難しいものがあります。というのもレーザー加工はレーザーヘッドから加工素材までの距離を正確に測ってはじめて、綺麗に加工ができるというものです。ところが素材がデニムとなりますと、生地のふくらみ、折り目等が影響し、ヘッドから素材への距離が一定となりません。そういった部分をクリアすることが必要となり、作業に時間がかかりましたが、個性的な一品ものを作成することができました。

加工概要
使用材料 デニム(ジーンズ)
材料サイズ 既成品 レディース用デニムジーンズ Mサイズ
機種 卓上小型 レーザー加工機 HAJIME
ソフトウェア Windows 8.1、Adobe Illustrator、HARUKA
レーザー加工所要時間 約4分

完成イメージ

加工前の準備

加工をするデニムの準備をします。初めにも書きましたが、綺麗に加工を施すには素材とレーザーヘッドとの距離を正確に測らなければなりません。デニムのふくらみ、折れ目などは正確な加工の妨げになりますので、できるだけ平らにする必要があります。
ここで登場するのがアイロンです。手動的な方法となりますが、デニムの加工予定面に綺麗にアイロン掛けをしてください。そして加工面を加工テーブル上に置き、デニムの下、もしくは間にアクリル等の板を挟み込みますと、さらに加工面が平らになり、加工には最良の状態になります。

切断デザインデータ作成

カジュアルなジーンズに加工ということなので、遊び心のあるデザインを選びました。まず用意したデータをAdobe Illustratorで開きます。次に、レーザー加工機が認識できるように彫刻パスのプロパティを調整します。

弊社の加工機では カラーモード:RGB、黒の塗りつぶしを彫刻データとして認識します。

加工開始

データ転送

デザインをすべて黒の塗りつぶしとして準備し、制御ソフトHARUKAへのデータ転送を行います。Illustratorから転送するとHARUKAが自動認識するので操作は簡単です。
当社のソフトはWindows 8.1に対応していますので、Windows 8.1で使用することができます。

加工条件の設定

予め代表的な素材はHARUKAにプリセットしてありますが、初めての素材を加工するとき手動追加をする必要があます。
HARUKAのメニュー画面から加工設定画面へ移り、素材名の欄に「デニム」と入力します。そして数値を適宜入れていきます。

加工位置合わせ

まずデニムをハニカムテーブルにおき、フォーカスツールでレンズとデニムとの距離をはかります。
次に、レーザーポインターをデニムの加工予定位置に合わせます。今回はデータが比較的大きいので、希望の位置に彫刻できるように、また素材からデータがはみ出さないように注意深く位置を合わせる必要があります。

これで加工の準備が出来上がりました。フォーカス、位置、HARUKAの設定を再確認し、再生ボタンを押して加工を開始します。

デニムに関しましては、思ったより早く加工がすすみます。微細な彫刻、大きなデータなども試してみてもいいかもしれません。

以上のように、約4分で加工が終了しました。丁寧にアイロン掛けをした甲斐があり、細かな部分も抜けがありません。彫刻部分がブリーチしたように仕上がり、デニムの風合いが感じられます。加工パワーの数値によって彫刻の色も変化してきますので、ここは楽しめる部分かもしれません。また、生地の裏面を確認してみましたが、ほつれ、破れ等は全くありません。こういった部分でも加工機の性能を実感して頂けると思います。

もう片方にも加工をしました。

今ご覧いただいているデニムは・・・実は3枚目です、最初の2枚は失敗しました。
加工直後に素材に少し力を入れて触ると生地が破れてしまい、実用できませんでした。
原因はパワー設定の関係で、レーザー加工のパワーと密度設定が強すぎで、素材の強度が低下してしまうことでした。
そのため、ジーンズに最適な加工パワーゾーンと画像解像度を調整し、素材が少し撓みがあっても、仕上がりが大きく変わらないように試行錯誤しました。

レーザー加工機とレーザーマーカーの選択

日本でもレーザーでジーンズにイラストを加工する業者があり、それらの業者は量産に対応しなければならないため、工業用のレーザーマーカーで加工しています。
レーザーマーカーは特殊な反射システムを使用しているため、加工スピードがとても早いので、今回の加工事例で加工した画像でしたら、約数秒で完成できます。
弊社のHAJIMEレーザー加工機はXY軸で加工するため、レーザーマーカーと比較すると加工スピードが遅くなります。
レーザーマーカーはいわゆるマーキング加工に適した加工機で、高速かつ高精度で加工することができます。
弱点は加工エリアが基本的に100*100mmがメインですので、大きな作業エリアには対応できません(画像の歪みが発生)。また、切断と深堀などの彫刻にも向いていません。
ところが、レーザー加工機は超高速に彫刻できませんが、ハイパワーで、深堀を得意としています。また、HAJIMEレーザー加工機は500*300mmの加工エリアを持っており、基本的にA3サイズの彫刻も対応できます。

機種 出力パワー 焦点深度 加工スピード 価格
レーザーマーカー 弱い(マーキング程度) 深い
(生地の撓みに強い)
とても速い とても高価
レーザー加工機 とても強い
(30Wでアクリル5mmを一回で切断)
浅い
(生地の撓みに弱い)
普通 個人で購入可能

個性を表現する

今回は作例として発表するために綺麗に加工する必要がありました。ですので念入りにアイロン掛けをし、正確にフォーカスを合わせましたが、デニムの仕上がりにおきましては、千差万別、人それぞれで好みが分かれるところです。さらに濃く、薄く彫刻加工を、もしくはいろいろな形に切断加工など、弊社の機械はご要望にお応えできることと思います。

インターネットの普及による個人のブログ、カラオケなどで練習しプロ並みに歌のうまい人、いろいろな形で自己表現する人が増えてきています。既成のものにとらわれない、新たな自己表現を実現するために弊社加工機をお役立て下さい。ユーザー様と共にレーザー加工機HAJIMEは更なる高みを目指します。