加工事例
Processing example
- 2016-09-21
メープルの無垢材にレーザーで刻印加工してみました
ここのところの、猛暑もひと段落してすごしやすくなってきましたが、秋雨前線の停滞で憂鬱になってしまいます。9月は年間でもっとも雨の降る月だそうで、6月の梅雨時期よりも雨量が多いそうです。
こんなパッとしない天気のときは、レーザー加工にいそしむのもなかなか良い秋のすごし方かもしれません。やや無理やりな冒頭ですが、今回は出力を下げた切断加工(ハーフカット)で木材に線画を書いてみたいと思います。
もくじ
加工レシピ
使用した材料 | ハードメープル無垢板 20 mm 厚 |
仕上がりサイズ | 240 x 180 mm |
レーザー加工時間 | 切断加工(ハーフカット)+ 彫刻加工:約40分 |
加工前の準備
線画とはそのままの意味で、細い線だけで表現した絵の事ですが、調べてみると、アニメの色入れ前の絵の事だったり、清書まえの下書きの事だったり、業種によりいろいろと意味合いが違ってくるようです。
今回の加工事例で用意したのは、ベクターデータで作成した線画のイラストとなります。切断加工として利用するにはベクターデータの必要がありますので、フリーハンドで紙などに手書きしたものをスキャンした画像データは使えませんのでご注意ください。
※ ラスター加工(彫刻)では画像データも利用できます
作成した加工データは、外注のデザイナーさんに頼んで作って頂きました。我が社には絵心を持つスタッフがいないので助かります。
ちなみに CLIP STUDIO PAINT というソフトを使い、ペンタブレットで手書きしたデータをそのままベクター出力する方法もあるようです。時代は進んでますね。
絵心のあるユーザーでしたら、このようなアプリを使ったほうが気軽に早くベクトルデータを作成できそうです。
ベクター加工とラスター加工の違い
細い線をレーザー加工で表現する場合、シングルストロークでパスの輪郭をそのままトレースするベクター加工(切断)のほうが綺麗にクッキリ表現できます。ラスター加工(彫刻)の場合は、X軸方向に水平走査を繰り返して加工してゆきますので、塗りつぶしでない細い線の場合はベクター加工には及びません。
たとえば1~3mm角の極小文字を製品などに刻印(マーキング)したい場合も、ラスター加工よりベクター加工のほうがきわめて視認性が上がります。
ストロークフォント、もしくはベクターフォントというフォントデータを提供されているところがありますので、ご興味のある方はお調べいただき、ベクター加工での刻印(マーキング)をお試しいただければと思います。
サンプルとしてシナベニアに極小文字を、ベクター加工およびラスター加工で刻印してみました。下の文字が比較した写真です。
テスト加工開始
話がそれましたが、早速加工をはじめたいと思います。
ベクター加工とラスター加工でどのくらい違いが出るか、実際に加工後の比較をしてみましょう。今回どちらの加工方法も同じ彫刻を表現しますので、話がややこしくならないように、ベクター加工での彫刻を「刻印」と表記を統一します。
まずはそれぞれシナベニアにテスト加工をして仕上がりを比べて見ます。
ラスター加工後の写真
ベクター加工後の写真
ベクター加工で刻印した線画のほうが綺麗にハッキリ色が出ているのがわかるでしょうか。
使用するレーザーのパワーにもよりますが、今回ベクター加工で使用したレーザーパワーはラスター加工のパワーより20%ほど低く設定しました。それでもコゲ色の濃さで違いがお解りになられるかと思います。
本番加工開始
それでは本番の素材に加工をしていこうと思います。
今回使用する加工材料は「マルトクショップ 」様で購入した、フリーカットの 20mm 厚 ハードメープル無垢材です。面取り加工やコーナーR加工、表面にクリアー塗装を施し、今回は奮発しちゃいました。
予備はありませんので失敗は許されません。
ハニカムテーブルにコピー用紙を敷き、加工素材の外周をマーキングしてから素材をセットします。
データ上のサイズもピッタリ合わせて作っていただいたので、キレイに仕上がるはずです。
本番加工終了
無事、本番加工が終わりました。うまくいったようです。
早速、飾って見ましょう。
メープルの美しい木目に線画が映えています。
データと素材の位置合わせもうまくいきました。
厚板の無垢材を使ったことで、ベニア板とは比べ物にならない高級感があります。
ラスター加工では、X軸方向に水平走査して繰り返しレーザービームを照射しますので、細い線を彫刻する場合、X軸方向に引いた「横線」は綺麗に表現しますが、Y軸方向に引いた「縦線」の場合は、どうしてもレーザービームの照射時間が少なくなるので、コゲが薄くなってしまいます。
細い線や小さい文字などは、ベクター加工で刻印したほうがキレイに早く仕上がる場合が多いので、データによりベクター加工とラスター加工、うまく使い分けて完成度を上げてくださいね。
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