加工事例
Processing example
- 2018-07-27
HAJIME レーザー加工機でMDF製のランタンを作ってみました
皆様、デジタルファブリケーションという言葉を聞いたことはありますか?
デジタルファブリケーションとは、レーザーカッターや3Dプリンタなどの、デジタル機器を使った「新しいモノづくり」の総称です。これまでの製造技術では難しかった複雑な造形がパソコンで作ったデータ通り、正確に作成できます。
個人レベルでも高度な工作機器を使用した自由なモノづくりが可能となり、従来よりモノづくりの敷居も下がり、必要なものを自分で作ることができる時代になりました。
今回の加工事例は、キャンプやバーベキューなどで実際に使えるバッテリー内蔵の「モバイルLEDランタン」を、個人で設計およびプロダクトデザインし、製造までをするという想定でご紹介しようと思います。
製作にあたっては、レーザーカッター、3Dプリンター、UVプリンターなどのデジタル加工機を総動員。さらに、簡単な電子工作を行うことで、バッテリーを内蔵した本格的な製品に仕上がっています。
今回の加工事例も、デジタルファブリケーションの情報サイト「メイカーズラブ 」様にご協力いただきました。連載企画の最終回となります。
もくじ
加工レシピ
使用した材料 | MDF 3mm、ABS樹脂(3Dプリンター) |
仕上がりサイズ | 180 x 180 x 230mm |
レーザー加工時間 | 約40分 |
Fusion360 でランタンのデータを作る
レーザー加工機は平面的な物しか作れないと思われがちですが、3Dプリンターと組み合わせることで、かなり立体的なデザインを実現することができます。
今回も 3DCAD の Fusion360 を使い、「モバイル・LEDランタン」のデータを作りました。
Fusion360 で3Dプリントとレーザーカッターを組み合わせたデータ作り
デザインのポイントは、平面のランタンの傘やフレームを回転させることで立体的な形を作ることです。
回転軸の部分は3Dプリントすることで、印象的なデザインと部品を固定する構造を実現しています。
平面の傘を作る
軸を中心にして回転させ立体感をだす
HAJIME で加工し UV プリンターで着色する
続いて、Fusion360 から DXF を書き出します。書き出したラインデータは Adobe Illustrator 読み込むことができます。データに不備がないか確認して、イラストレータープラグインから、ソフトウエア HARUKA にデータを転送します。
Adobe Illustrator でデータを確認後 HARUKA にデータ転送
それでは準備が整ったので、HAJIME でレーザーカットを開始します。
カット時間は約40分です。
HAJIME でレーザーカット(40分)
さらに、イラストレーターで模様を作ります。この時に、回転することを想定して少し斜めに模様を入れると、柄がそろって仕上がりが良くなります。
イラストレーターで模様をデザイン
イラストレーターのデータを、UVプリンターに送って塗装の完了です。
UVプリンターで着色
3Dプリンターとの組み合わせで立体的なデザインを
レーザー加工機でカットした平面の傘は、Fusion360で設計した回転軸に刺すことで立体的なデザインになります。その部分を担うのは3Dプリンターです。
Fusion360 から STLデータを書き出して、3Dプリンターの R3D で出力します。
3Dプリントは、どんな形でも作れる反面、プリントに非常に時間がかかります。
今回は4パーツで20時間ぐらいかかっています。
電子工作でLEDとバッテリーを組み込む
外装はできたので、次は「モバイルLEDランタン」の中身となるLEDライトとバッテリーを使った電子工作です。
電子工作に必要なパーツ
- LEDライト:WIBERTA USB(USBバッテリーで使えるLEDライト)
- バッテリー:Anker PowerCore + mini
- その他:USB端子、スイッチ、PH端子オスメス、M3ネジ10mm 6本
電子工作というと難しく感じるかもしれませんが、市販品のLEDライトとバッテリーをつなぎ合わせるだけなので、簡単にできます。そのまま、他の部品も組み立てて、「モバイルLEDランタン」の完成です。
ランタンを屋外に持ち出そう
完成した「モバイルLEDランタン」を、実際にバーベキューへ持って行き使ってみました。LEDライトは意外に明るく、2時間ぐらいは使えるので実用性も十分かなと思います。
ちょっとした製品ですが、デジタルファブリケーションを使って、生活が豊かになります。
いかがでしょうか。個人レベルでも、デジタルファブリケーションを駆使すれば、高価な金型などを業者に頼まなくても、思い描いたアイデアやデザインをPCデータにして、気軽にプロトタイプを作ることができます。
ぶっちゃけレーザー加工機、3Dプリンター、UVプリンターなど持っていなくても、ファブラボでレンタルできる時代です。アイデアとデザインソフトやCADソフトをマスターするやる気さえあれば、資金がなくても画期的な製品、面白い製品、良い製品をリリースできるのではないでしょうか。
作成過程のYouTube動画を公開中
今回作成した「モバイルLEDランタン」の製作過程を YouTube動画でご紹介します。
なお、より詳細な製作方法については、記事作成に協力いただいた「メイカーズラブ 」様のYouTubeチャンネルで公開されています。
カットデータのダウンロード
- お読みください
下記zipファイル内の、PDFファイルを、HARUKA の「ファイル」→「ファイルを開く」から直接開いてください。(加工パラメーター 切断:75%、スピード:8mm/s)
3Dプリンタ用のSTLファイルも入っています。
メイカーズラブ様による加工事例の連載は、今回の記事で最後となります。この度はご協力いただき誠に有難うございました。
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