オーレーザー

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加工事例

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Processing example

お祭りの縁日で売ってる型抜き菓子をレーザーで抜いてみた

今年も暑い夏がやってきましたね。暑いを通り越して連日猛暑となっておりますので、みなさま熱中症には十分お気をつけ下さい。

さて、コロナウイルスにおける感染自粛要請も緩和してきたので、今年は各地に夏祭りが戻ってくるのでしょうか。

弊社地元の埼玉県川越市では、7/30(土)・31日(日)に「川越百万灯夏まつり 」を開催するようです。なんと3年ぶりということで、大いに盛り上がることでしょう。

しかし近日のニュースでは、再び感染拡大の兆しがあり「第7波」の懸念が強まるとも。もう勘弁願いたいところです。

そうそう、お祭りといえば「型抜き菓子」ってやったことありますか?

私は未経験で、屋台も見かけたことがないのですが、友人からはよく耳にしていたので、いつか見つけてチャレンジしてやろうと思っておりました。

そんなことを思い出したというのも、Amazon で売っている「型抜き菓子」を発見してしまったのが原因なのでした。(Amazon パトロールは私の日課です。)

いい大人になった今、レーザー加工機を製造するメーカーに勤めているこの巡り合わせ。

これは自分の手を使うよりも、レーザービームを駆使して抜かずにはいられないという衝動も、自然の摂理なのでしょう、迷わず大人買い。

もくじ

型抜き菓子について調べてみると、今では大阪にある「株式会社ハシモト 」1社のみの製造となってしまっているようです。

縁日での風物詩が失われていくようで、なんだか寂しく感じますが、ここは HAJIME の出番なのではなかろうかと。盛り上げて行きましょう。

自分の手で型抜きに挑戦

まずは、どのくらい抜くのが難しいのか公式ルールで挑戦してみます。易しいタイプと難しいタイプ2種類の絵柄があるので、ここは迷わず難しいタイプを選択。

上の絵柄が難しいタイプで下が易しいタイプ。難易度がかなり違います。

一緒に入っていた竹製の爪楊枝を使うんですね。なんだか頼りない気もしますが・・・。

しかし、始めてすぐ解るこの無理ゲー感。

難しすぎる、全然削れません、硬すぎる。

あぁっ!

ご想像の通り失敗しました、せっかちな人は絶対ムリでしょう。いやいや、半日以上かけても成功するとは思えない難しさですよ、これは。

CO2レーザーとの相性確認

早々に心が折れましたので、HAJIME での抜きに挑戦します。

型抜き菓子の原料はデンプン、砂糖、ゼラチンなのだそう。そもそもCO2レーザーだと真っ黒コゲになってしまう可能性もあるので、事前に相性を確認しておく必要があります。

とりあえず、5mmの丸穴を開けて様子を見てみます。

良かった、思っていたよりも、コゲが少なく綺麗に抜けそうです。ボツにならず済みそう。

パラメーターは、レーザーパワー 27%、スピード 5mm/s に設定。ギリギリ貫通するくらいの数値を探しました。あとは加工データと位置合わせが上手くいけばなんとかなりそう。

加工データの作成

データは現物をスキャンして、Adobe Illustrator で手書きトレースするしかないですね。

スキャンデータをイラレに取り込んで、カットラインをペンツールでなぞっていきます。

イラレのペンツールで綺麗なベジェ曲線を描くには

う~んこれは「慣れるしか無い」の一言に尽きるのですが、下記を気をつければ慣れるのが早いかもしれません。いつも、アンカーを打つ位置に迷う方は参考にしてみてください。

イラレの楕円形ツールで円を書くと、アンカーは必ず4つです。90度(4分割)の円弧に対し始点と終点に一つづつアンカーを打つのが基本。ペンツールでパスを書くにはこの感覚を身に着けなくてはなりません。つまり90度以内の曲線は、2つのアンカーで完結させる事。

打つアンカーはなるべく少なく、ハンドルをスムーズになだらかに繋げる事を意識します。

アンカーから生える左右のハンドルは、常に同じ平行度を保ち、曲線から直線に転換する時は、ハンドルを次の直線となるべく平行にすると、カクカクせずになだらかになります。

なんとなく独学で身につけた、ペンツールあるあるを駆使してトレースを進めます。ハンドルの向きや長さを変えたいときは、アンカーポイントツールに持ち替えて動かして下さい。

線が気に入らなかったら「Ctrl+Z」で一つ前のアンカーに戻り、何度も書き直します。コツコツ時間を掛けて、納得いくまで書き直すのも大切かもしれません。

トレース完了。大体1つ30分くらいかかったと思います。

カットラインの位置合わせ

外形の大きさは 約25 x 35mm なのですが、個々で微妙に差異がありますね。

それぞれの絵柄ごとに型紙を作って、その都度位置合わせするしかなさそうです。

いつものケント紙をレーザーカットして、型紙を作りました。アートボードの大きさは、すべて 25 x 35mm です。これを現物の型抜き菓子に重ねて、位置合わせを行います。

まずはあらかじめ、型抜き菓子にフォーカスを合わせておきましょう。

型紙のカットラインを型抜き菓子にピッタリ重ねます。カットデータは水平度を確認しやすくするため、横向きにしておきました。

次に本体の電源ボタンを3回クリックして、レーザーヘッドをフリーにします。すると電源 ON の状態でも、手動でレーザーヘッドを自由に動かせます。

型紙の左上角にガイドレーザーを合わせ、レーザーヘッドを左右に動かします。

赤いガイドレーザーが型紙の上端から外れないか、または斜めになっていないかチェックして、水平度がズレていたらピンセットでツンツン修正します。

これで水平度は大丈夫そうです。

ガイドレーザーを型紙の左上角に戻し、ピンセットで慎重に型紙を外します。型紙は、ピンセットで摘み易くするため、角を折っておきました。

よし、位置合わせ完了です。
位置合わせについては、下記の記事でも詳しく解説してますのでご参考に。

レーザー加工開始

では、カットしていきましょう。パラメーターは先程テストカットした通りの設定で。

うむうむ順調ですね、約20秒でカット終了。爪楊枝と比べると圧倒的な速さです。
コゲが目立ちますが、一応綺麗にカット出来ています。

ここからチューリップが折れないように取り出すのがまた大変でした。

なんとか、細いところも大丈夫そうです。経験者は解ると思いますが、手作業の爪楊枝では、絶対絶対ムリです。

では、残りの9種類もカットしていきますね。

結局レーザーカット後に上手く抜けたのは、下記6つでした。

残りの4つは無惨な姿に。レーザーを駆使しても難しいとは、鬼畜すぎます。

果敢なチャレンジが出来たので満足しました。ここまでお付き合い頂き有難うございます。

今回の型抜き菓子の加工例は、レーザービジネスの参考にはなりませんが、イラレのトレースと位置合わせの話が出来たので、無駄ではなかったと思い終わりにします。

手で抜くのは本当に難しいので、皆さんも是非挑戦してみてください。

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